2007年07月02日

緊急危機管理情報~ロンドン同時テロ未遂事件関連

 29日に発生した、ハイドパークでの車爆弾及び30日に発生したグラスゴー空港への車両突入に関して、緊急の危機管理情報を発信いたします。


●ロンドン中心部及び都市部
「渡航の延期・中止をお勧めいたします」

●イギリス全土及び各国英国関連施設
「注意して下さい」


 英国の警察は、現在までにこれらの犯行に関して、テロであるとの判断をしています。
また、車爆弾・車両突入とも未遂・失敗している事を考慮すると、未だテロ攻撃が継続する
危険性が高く、英国政府は警戒レベルを最大に引き上げています。



●ロンドン中心部~ 「渡航の延期・中止をお勧めします」
 今回のテロ攻撃を分析すると、明らかに人間をターゲットとしており、
具体的にターゲットとなりうる場所の特定が困難です。
その為、ロンドン中心部及び地方都市部に対して、渡航延期・中止を推奨致します。

「渡航の延期・中止を勧告します」
〇ロンドン市内全域及び周辺地域
〇英国国内の公共交通施設(空港・港湾・駅・バスターミナル等)
〇イベント会場 繁華街
〇金融関係施設(証券取引所・銀行・ビジネス街)
〇主要官公庁周辺
〇ライフライン関連施設


 これらの場所では、テロに巻き込まれる場合がありますので、当面重大な用事がなければ回避する事を推奨致します。
不審な車や人物・不審物を発見した場合は、速やかにその場を離れ警察官や警備担当者に連絡して下さい。



●イギリス全土及び各国英国関連施設~ 「十分注意して下さい」

 テロ攻撃は、ハードターゲットよりも、ソフトターゲット(簡単な目標)を選ぶ傾向があり、場合によっては
厳戒態勢の敷かれたロンドン周辺を避けて、地方都市でテロを実行する可能性があり、英国国内では注意が必要です。

また、今回のテロはアルカイダ系の犯行グループが用いる手口と酷似しているとの一部報道もあり
スペイン列車爆破テロとロンドンの地下鉄爆弾テロ等、各国で連鎖的にテロ攻撃が発生する可能性があります。

「十分に注意して下さい」

〇各国 英国大使館・領事館、在外公館周辺
〇英国資本企業やホテル
〇ヨーロッパ圏の各種公共交通機関(特に英国経由や目的地が英国である場合)
〇EU周辺祖国の官公庁
〇ライフライン関連施設



 また、上記の警戒対象では通常より警備が強化されています。治安関係者とのトラブルを起こさぬように十分注意して下さい。


この情報の有効期限は、掲載より14日間と致します。
今後の情報に注意して下さい。

次回の更新は未定です。


【英国における連続テロの分析】

現段階では、情報が錯綜しており、分析が不明瞭です。
ご了承下さい。


 今回のテロは、報道から推察されるように軍用の爆発物等は用いられず、一般的に可能な材料により構成されています。
その為、英国本土における武器の調達ルートが非常に制限されているからだと推測されます。
しかし、テロ行為を実行するネットワークが、未だに健在であるという事は、大きな脅威であり
今後も十分な注意を払う必要があります。

 今回空港で拘束されたテロの実行犯の身元は、まだ発表されていませんが犯人が自爆せず逃走を図った事を考慮すると、国内のイスラム教信者を扇動してテロを実行させたと考えられます。

 資金提供者が存在している可能性が高く、これらが拘束されない限りは現段階でのテロ再発の可能性は高いと言わざるを得ません。

 また、悪魔の詩の作者であるサルマン・ラシュディ氏にナイト爵位を授与する事への報復との情報もあり、情報が錯綜しています。

 しかし、国土面積が狭い上に内外の情報機関が発達している英国においては、テロリストは逃走のために十分な準備時間が与えられず今回のような未遂(不発火)に終わったと考えられなくもありません。(ピカデリーでの事件は、爆発前の発見との報道もある)

 同時に、空港に突入して炎上した車両も、本来であれば爆発後に炎上する計画だったと想像でき、こちらも被害程度から推察して失敗と考えるのが妥当です。

 ロンドンの地下鉄爆破テロ以降、ネットワークが破綻し自爆テロ要員の確保に必要な教育の時間や、テロに用いられる武器・爆薬の入手が困難になっていると想定されます。

そのため、大きな社会的基盤(援助組織)を持たないテロネットワークは、小規模で簡易的な爆発物を使用したテロにシフトするか、多数の人間を狙ったテロから産業・経済の重要施設等に矛先を変えることになるでしょう。


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Posted by 柏木@中の人 at 01:13│Comments(0)危機管理情報
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