2009年06月11日

備え~サバイバルキットのアウターケース

昨日お話したとおり、今回はサバイバルキットの中身について、お話をしたいと思います。

昨日の記事で書いたとおり、サバイバルキットにはその状況や期間によって
変わってくるので、代表的な用品の紹介やキットを組む際の注意点について
ダラダラきます。

ん?財布の中がサバイバル?・・・

知らんがな(笑)

備え~サバイバルキットのアウターケース

さて、肝心の財布・・・じゃなかった、キットの中身ですが
昨日の記事では、構成要素に食料シェルター信号救急
の各要素があると書きました。

これらを状況や、環境に応じて内容を増減して、オリジナルのキットを組むとお話しましたね。

それでは、構成要素別に見ていきましょう。

しかし、その前にアウターケースに関して、お話をしなければなりません。
各装備をまとめて携行する為の必需品で、幾つか方法があります。

まずは、有名なメスチンやタバコケースです。


SASのサバイバルマニュアルで有名になった、メスチンやタバコケースで
金属製の小さな調理器具にサバイバルツールを詰め込む方式で
湿気や衝撃からキットの内容物を守る働きがあり、それ自体が
調理器具として使用できたり、信号用品の代わりを務める優秀なケースです。

しかし、幾つか欠点もあり一長一短である事は否めません。
金属ケースは音を発すると言う事と、硬いので携行に不便である事が挙げられます。


もし、メスチンやタバコケースにサバイバルキットを詰めて、携行する場合
その保管場所は、1stライン上に位置しなければならないので、BDUのカーゴポケットや
ベルト上に存在する事になり、携行場所に難があります。
まさか、手に持って移動するわけには行きませんから、携行方法に工夫が必要です。

同時に、金属ケースである為に、装備と干渉した場合に音が発生すると言う事です。
これでは戦場やE&Eシチュエーションでは、致命的な欠陥になりえます。
内部の内容物は、テープで処置したり、隙間にコットンボールを詰める事で、
解消できますが、非常時にキットを使用すれば、隙間が出来る事になり
根本的な解決にはなりません。


次は、ユーリティーポーチです。
こちらは音は発生しませんが、ベルトや装備品に取り付けて使用するため
装備との干渉を防ぎ、非常時に持ち出しやすい形状になります。
ただし、アウターケースには防水性が乏しいので、内容物に防水の処置をする必要があります。



最後は、最近のトレンドですが小型のウェストポーチにキットを詰める方式です。
特殊部隊の隊員(海豹だったかな?)出典忘れました

海外の掲示板で検索すれば、これらのキットに関する情報が多く出てきますが、
この方法は、今の所一番ベターな方法かもしれません。

この方式であれば、装備の下に小さいウェストポーチをつけるので、さほど干渉
については心配する必要が少ないですし、必要の無い場合は
そのままバックパックに放り込んだり、着脱も容易です。
ただし、ユーリティーポーチと同じく、防水性に関しては、乏しいので
内容物に防水の処置を施す必要があります。



これは余談になりますが、以前とある外人さんの家にお邪魔した事があるのですが、
その際に、彼の装備を見せてもらう機会に恵まれまして、彼もウェストポーチに
キットを詰めていて、内側に折りたたんだ航空識別マーカーを縫いこんでいました。

彼は、ジャンクボックスと呼んでいましたが、机の引き出しにキットの構成品を
詰め込んで、状況によって使い分けると言っていました。

写真も無く、5年も前の話なので、記憶があいまいですが流石に本職は違うな~と
感心したのを覚えています。


話を戻しましょう。
次に、具体的な内容物の話になりますが、容量や重量が限られるキットでは、
単一の用途だけで使用される用品は、避けなければなりません。
複数の使い道や応用の利く道具を選択しなければ、小さなポーチや
タバコケースはすぐに一杯になってしまいます。

100円ライターを例に話をしてみましょう。
私もキットに100円ライターを入れていますが、ガスタンクの部分にダクトテープを
巻いて、消音と非常時の固定に利用しています。
フリント式のライターであれば、ガスがなくなったとしても、石を削って火口に着火できます。
このように、複数の使用用途がある装備を中心に構成すれば、キットの軽量化が
可能になり、生存の可能性が広がる結果につながります。

このように、キットは自身の創意工夫で用途や応用が可能になってきます。





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Posted by 柏木@中の人 at 09:24│Comments(5)備え
この記事へのコメント
自分もEEに興味がありましてあれこれ考えてる次第です。
前職のRの人に聴くと、最低限、縫い物、発火、栄養があればいいそうです。
これをベースにその他衛生資材などを入れていくそうです。
そう考えるとSASのサバイバルキットは極々最低限のモノでしかなさそうですね。
Posted by RP at 2009年06月12日 08:27
RPさん>
Rの方の話は、非常に参考になりますね。

営業妨害になるので、個別の商品にリンクは張りませんが、SASのキットには
以下の物が入っています。

ボタンコンパス・折畳ナイフ・ワイヤーソー・フリントセット・蝋燭・トラップワイヤー・マッチ・ソーイングキット・釣具・安全ピン・ホイッスル・浄水剤・鉛筆、タバコ缶入り

この中で折り畳みナイフとワイヤーソーは、使い物になりません。
ボタンコンパスの精度も未確認です。
フリントは、使い勝手があまり良くなさそうです。
費用対効果を考えるなら、回避した方が良いかもしれませんね。
Posted by 柏木柏木 at 2009年06月12日 15:01
>柏木さん
柏木さんは某ブログの現場に赴くナントヤラをご存知かと思われますが、あれにも確かあったとおもうんですが、マッチよりも100円ライターのが使い勝手が良いとRの人も言ってました。マッチはあくまで予備だとも。下手なファイヤスターターよりも一般人には使い勝手がいいかもしれませんね。ガスがなくなってもフリントは使えますし。電子ライターはガスがなくなったらおじゃんですが(^^;)
Posted by RP at 2009年06月12日 17:13
RPさん>
はい、0さんの所ですね(笑)
あのリストは非常に参考になりますね。

100円ライターの有効性は、もはや疑いの余地がありませんね。
もし、海外に赴くなら物々交換も考慮して箱買いするでしょう。


今の備えのシリーズの一環として、私の考える
リストを作成中なんですが、難航しています(汗)
装備品・背嚢入組品・日雑と分類していますが、
いつになるやら(汗
Posted by 柏木柏木 at 2009年06月12日 20:16
>メスチン

昔はカナダ軍のもの(英軍と同サイズ)にFAKとサバイバルキットを収め、レーションポーチに入れてベルトに吊っていました。
しかし、これでは大きすぎるので、現在ではキットのコアとなる物品だけをプラスティックのタバコケースに入れ、その他は別にするようになりました。

雪山では、雪を溶かす容器と雪洞を掘る道具を兼ねるシェラカップに、着火器具と固形燃料、インスタントスープとココアなどを入れ、サバイバルブランケットのパッケージをテープで留めて蓋をしたものを、ジャケットのポケットに入れるようにしています。

>タバコケース

SASのキット用として使われているパイプタバコの缶を湯沸し用にも使うとすると、取っ手をどうするかが問題です。
市販のキットでは、専用の「コ」の字型ハンドルが付属していたものもありましたが、缶の縁近くに穴を開けておき(穴を開ける道具をキットに追加しても可)、キットに針金を入れておくことでも解決できます。
または、フランス軍のレーションに入っているような取っ手を自作しても良いと思います。

>ウェストポーチ

アリゾナでサバイバルスクールをやっている、Cody Lundinも著書で紹介してました。
バックパックとの干渉を解決できれば、非常に良いと思います。
トレイルランニング用のモデルで、水ボトルを収納できるものがありますが、この手のデザインも一考の余地はありそうです。
Posted by rwalker at 2009年06月14日 20:16
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